死にカタログ

死にカタログ
寄藤 文平
大和書房
売り上げランキング: 13623



さるきちの母が失踪した。


初めてではない。

ここ数年のうちに何回かあった。


兄弟ザル3匹はそれぞれ違う反応を示す。


上の弟サルは怒りモード。

「どれだけ周りを巻き込んでいるか、
わかってねェ怒

一番素直な反応なのかも。


下の弟さるは兄弟で唯一
実家で両親と同居している身。

「またか。困ったもんだうーん

彼は諦めモード。
達観しているともいえる。

もしかしたら兄弟の中で一番肝が据わっていて
冷静なのかもしれない。


そして長女さるきちは死の妄想モード。


母…死なないよね?くすん


身を隠した母が死を選ぶのではないかと
勝手に想像し、不安と恐怖で
胸にねじるような痛みを感じてるヒト。

さらには、「母…死なないよね?」メールで
弟たちを動揺させ、彼らの不安さえも
掻き立ててしまうほどの愚かっぷり。


電話やメールのやりとり。

うききき

と、騒ぎたったサル3兄弟なのでした。



さてさてさて、

この本は以前紹介したウンチの本の寄藤文平氏。

前々から察してはいたが、


彼は天才。 イエイ


いや、天才と変人の合間で
絶妙なバランスを取っている感じ

といった方が正しかろう。 うーん



彼は「死ってなんだろう」という
単純かつ難解な疑問を抱く。

そして死について考えてみるコトを決意する。


ヒトは誰しもいつかは死を迎えるものだけど、
死との距離はヒトによって異なるのよね。

病気で余命を告げられたヒトにとっては
まさに近しいモノなのだろうし、

一方で、
心身ともに健康なヒト、
例えば旦那サマのようなヒトにとっては
遠い遠い存在なのだろう。


さるきちが、母に襲いかかる死の影に
恐れおののくのは、
やはりさるきちが死をすぐ近くの存在として
捉えていることの表れでなのか。。


勝手口を開けたら、
あら、そこにいたの?みたいな。

もっと例えるなら、

普段はめったに会わないけれど
結婚式には呼んでおこうか的な友人、みたいな。


さてさてさて、

話は戻って、

彼は先ず死のカタチを考え、
それを図示しています。

波や砂時計、8の字だったり、
あるいは長い道路の先のちっちゃな点だったり。

さるきちの死はどんなカタチをしているんだろう。 はて


それから、世界のいろんな地域で信じられている
死の世界が描かれています。

日本だったら、魂が抜けて天国か地獄にいく
という考えが主流なのかな。

一方でね、
西欧のバイキングは死ぬと戦場に行くと思われていたり、
パプアニューギニアでは近所の島に行くと考えていたらしい。

面白いですよね。

本州で死んだおばあちゃんが
四国で元気に農業やってたりしたら。 はっ


あるいは、エジプトでは死者は再生すると思われていて、
だからこそ死体をミイラにしたのだし、

コオロギや蠅、鳥になると信じている所もある。

懐かしいのは、中国のキョンシー。

昔ドラマでありましたよね。

腕を“前習え”にしてぴょんぴょん跳ねるの。
お札を額に貼ると動きが止まるのよね。 ふふ。


それから、死因や死に場所の統計、
さらに後半では歴史上の偉人や
小説、映画の中の登場人物の死が描かれています。

このチョイスがまた面白い。

キリストに始まり、織田信長、坂本竜馬。
ヒットラーに、火あぶりの刑に処せられたジャンヌダルク、
老衰のピカソ、ギロチン台のマリーアントワネット。

さるきち好きな作品でもあるオスカー・ワイルドのドリアングレイ。
ウエストサイドストーリーのトニー。
I'll be backのターミネーター。

入水自殺の太宰治に割腹自殺の三島由紀夫。

ユニークなところで
ジュラシックパークの保険屋(ティラノサウルスにぱくりってね)
ごんぎつね(これは泣ける)
泡になる人魚姫。

ちなみに、高橋留美子の人魚シリーズでは
人魚の肉を食したヒトは不死身になって
それもツライのよね…

などなど、多岐多様にわたり、
それがちまっとしたイラストになってるからさらに楽しめるのだ。 


南野陽子の大ファンという著者。


もっと強烈に、陽子のココロをワシづかみにしたい

やっぱ死ぬしかねえ


そうして、妄想の中、
彼は陽子を助けるため
ビルの下敷きになるのであった…

ちゃんちゃん。


この妄想癖、さるきちも負けてられません。


“死”がテーマなのに笑えちゃう一冊です。 にっこり



さて、、


さるきちの母がどうなったのか。


その話はまた改めて。

人生にはいろんなコトが起きるのだ。。はああ。


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思春期をめぐる冒険〜心理療法と村上春樹の世界 後編



前編にひきつづきまして。

この本では
「思春期」「死の世界(異界)」に近いことも
村上春樹の小説に乗じて語られています。

確かに、
村上春樹の小説には死が色濃く描かれているのよね。

「ノルウェイの森」の直子は
結局自ら生命を絶つし、
 
「ねじまき鳥クロニクル」のメイは
死の世界と現実の狭間をさまよっているし、
 
「スプートニクの恋人」のすみれも
異界に行ってしまう。
 
みんな死の世界(異界)に近い存在でした。
他にもたくさん登場しているのです。


この本の著者によると、

ヒトは誰もが
思春期の、成長の過程で
両親からの決別を経験し、
矛盾に苦しみ、
自分を取り巻く 環境や対人関係で悩むもの。

それは未知の世界との対峙です。


その苦しみを乗り越えた時、
ヒトは成長を果たします。

未知の世界、つまり「死」を認識することで
「生」を自覚するのです。

生きてるんだ!uruuruって実感感を得るのです。


一方、

苦しみを上手く乗り越えられなかった時、
「生」を感じることができず、
自分の内面に「死」を囲んでしまうといいます。

だからふとした時に
死の世界に引き込まれてしまうのです。


学生の自殺のニュースも多く流れ
さるきちココロを痛めてますが、

彼らにとっては
さるきちたちが思うよりも、
死はすぐそこにあるのかもしれません。

また、
援助交際をするおじさんたち。

彼らは思春期の女生徒と関係を持つことで
死の世界のスリルを味わっている、と
著者は表現しています。


さるきちのような摂食障害者も
実はココロに死の世界を囲っているんじゃないかなあ??

拒食症は無意識の自殺ともいわれています。
生きている実感が持てないヒトもいるでしょう。

だからね、さるきちたちは、
ココロの井戸に降りて
死を見つめ、こちらの世界にとどまるべく
自分を繋ぎとめる何かを探さなくちゃいけないんだな、
 

って思ってるんです。うーん


村上氏の作品が多くのヒトに愛されるのは、

彼が小説の中で
自らのココロの奥を見つめ
死を見つめ、
生を実感し、
読者とつながることで
こちらの世界とつながろうとしている。

その作業に共感できるからなんでしょうね。


村上ファンにはおススメの一冊。

村上氏に触れたことの無いヒトは
先ず、小説から読んでみてください。

 

☆さるきちお気に入りキャラ☆

  第1位 ユキ (ダンス・ダンス・ダンス)
 
 第2位 ナカタさん (海辺のカフカ)

 第3位 スミレ (スプートニクの恋人)

 第4位 カエルくん (カエルくん、地球を救う

 第5位 クレタ (ねじまき鳥クロニクル) 

 


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思春期をめぐる冒険―心理療法と村上春樹の世界 前編











さるきち家の本棚には村上春樹の作品が
ずらっと並んでいます。

残念ながらノーベル文学賞は逃してしまいましたが
国内にとどまらず、海外でも村上ファン層は厚く
日本を代表する作家の一人であることは明らか。

どうしてそんなに人気があるのでしょう??  はて



「小説を書くのは、自己治癒的な行為である」

とは村上氏の言葉。

「伝えたいメッセージがあってそれを表現しているわけではなくて、
自分の中にどのようなメッセージがあるのかを探しだすために
小説を書いているような気がする」 


これって心理療法に似ている!

というのが
この本の著者が目をつけたところ。 


心理療法では、
過去に受けたココロの傷が何であるのか、
ココロの奥に追いやられていた記憶や感情を
見つける作業を行います。

そしてココロのキズを癒すことが
摂食障害の治療になるというわけでした。
(→愛情が欲しい〜摂食障害はその究極の表現) 


同じような作業を
村上氏はその小説の中で行っているというのです。

例えば、村上春樹の長編、
ねじまき鳥クロニクルの「井戸」

「下に行くべきときには、いちばん深い井戸を見つけて
その底に下りればよろしい」

そうして、オカダトオルは
真っ暗な井戸の底に下り、
井戸の壁を通り抜け、
消えた妻、クミコのいる部屋に到達できたのでした。

「井戸」はココロの奥、
物事の本質を表現しているのです。


過食嘔吐が止まらないさるきち。

どうして身体は過食嘔吐を求めてしまうのか??

さるきちも、ココロの井戸の底に降りて
考えなくちゃいけないんですね。 うーん


聞き逃さないように。
大切なことは小さな声で語られるのです。  

後半へ続く…



☆おススメ品☆

 ↓ ブルドックがたくさんの本をおさえてくれるのだ。
   




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自殺という病

  
 毎年3万人ものヒトが自らの手で死を招いている。。
 





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自殺未遂―「死にたい」と「生きたい」の心理学

自殺未遂―「死にたい」と「生きたい」の心理学 (こころライブラリー)
高橋 祥友
講談社 (2004/10)
売り上げランキング: 144786



 この本は自殺を考えているヒトを対象に書かれています。



 先ず、自殺未遂者の実例が
10代から80代まで

 幅広く紹介されています。

 

 そして自殺は自ら死を選ぶしかない状況に

 追いつめられてしまった
強制的な行為として

 ココロの病気と自殺の関係を論じたり、

 
残された遺族の思いを紹介したりしています。



 後半に登場する闘病日記

 それは、ある男子高校生が思春期うつ病にかかり

 自殺を望みますが、

 入院し、医師と家族の支えのもとで徐々に回復。

 病院から学校に通学し、無事卒業を迎えるという実話です。

 「死にたい」から「生きたい」に変わる経緯

 詳しく描かれています。



 死を選ばないでほしい。



 著者の思いが伝わってくる一冊です。




 ☆関連コラム☆
 

  「自殺について〜さるきちの中の死のかたまり〜」

 




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プロフィール

さるきち

Author:さるきち
摂食障害(過食嘔吐)9年目のさるきち@主婦です。

治したい。でも治りたくない。

さるきちの中の天使と悪魔が
今日も闘っている。。。

ウツ虫くん、虚し虫くんとも仲良し。
趣味はカフェでまったり読書っ。

ブログのモットーは
ユニーク&ユーモア。
できるだけ笑いをお届けしたいと思っています。

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