天国はまだ遠く

天国はまだ遠く (新潮文庫)
瀬尾 まいこ
新潮社
売り上げランキング: 32831



すべてを投げ出して

どこか遠くに行ってしまいたい


なーんて、
思う時はありませんか??

さるきちは夕方になると
そんな思いに駆られます。

だって、夕飯の支度って面倒なんだもの。ハハ。


さて、

うつの状態が長引くと、


“どこか遠く”=死


という発想に至ることがあります。

なぜなら、
すべてを投げ出すコトができないから。

そんな思いきりがあったら、
うつなんかになってないわけです。

うつの波に呑まれちゃった
真面目で律儀なヒトが取れる手段は、


自分自身を投げ出すコトなのです。


この小説の主人公、千鶴も
死を覚悟したひとり。

千鶴は、死に場所を求め、
北へ、北へと山奥を突き進む。

ぽつんと現れた民宿。

彼女はそこで一泊し、
大量の睡眠薬を飲み
布団に入る。


終わっただーっ(泣)


と思ったら・・・翌朝。


死んでないやんけーっっ びっくり


しかも、熟睡できたためか
頭も身体もスッキリ。 。


そして、その日から
自然に囲まれた民宿での
生活が始まる。


千鶴は保険の営業をしてたのね。
でも契約が取れなくて、
ノルマに追われる日々。

職場の人間関係もうまくいかず、
いるだけで緊張してしまう。

不眠、疲労、食欲不振。
身体に現れる不調。

そのうち、
日常の些細なコトが
ココロに大きなダメージとなる。


さるきち、なんだか想像できます。

フツーのヒトであれば
何でもないコトなのにね。

シャワーのお湯ですら、
ストッキングの伝線ですら、
その身をちくちく刺すのよね。


民宿の経営者、田村さんは言う。

「会社休んで、気分転換すればよかったのに」

契約も取れてないのに休みを取る勇気も、
どこかに行く思いきりもなかったの


「仕事辞めればよかったのに」

言い出せなかった
無責任ってののしられるのが怖かったのかも


そう。
すべてにおいて、板挟み。

そしてたどり着く先が、死。


「俺、釣りに行って一匹も釣れへんこと
しょっちゅうあるけど、死のうと思ったことは
今まで一度もないなあ」

田村さんの、のほほんっぷりと
有機野菜や新米、そば打ち、
釣りや鶏小屋掃除、、

起きて、散歩して、食べて、寝る

そんな生活の中で、

千鶴は、自らを振り返り、
そして自分の居場所について
考えを巡らせていく。


星空の元、酔っ払って
道路に寝っ転び、
吉幾三の歌を熱唱する千鶴。


ここにはたくさんの星、
たくさんの木、山に海に風がある。

それに、隣には田村さんもいる。
今、私はたくさんのすてきなものに囲まれている。

でも、寂しかった。
すてきなものがいくらたくさんあっても、
ここには自分の居場所がない。
するべきことがここにはない。
だから悲しかった。

きっと私は自分のいるべき場所から
うんと離れてしまったのだ。


一度は死を覚悟した女性が
新たな道を歩み出すまでの
ココロの動きが、

季節の移ろいとともに
ゆっくりと柔らかく描かれています。

さるきちは山奥の実家に帰省中にだったためか、
まるで自分の田舎村の一風景のように
感じながら読んだのでした。

ココロがほんのり安らぐ一冊です。


☆おススメ品☆

洗剤を使わないエコたわし。
カワイくて使うのがもったいないくらい。
でも自然を守るために喜んで犠牲になろう。


 
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眠れぬ森の美女たち

眠れぬ森の美女たち (河出文庫)
香山 リカ
河出書房新社
売り上げランキング: 548193


片田舎の「空の家」。

崖から海に突き出したテラスに座って
水平線をぼーっと眺め、 
潮風を感じ波音に耳を傾ける。

浮遊感に身をゆだねる。

臨床医を突然辞めて
「空の家」を立ち上げた湖陶子。

それは、老後を過ごすための
女性だけの共有スペース。


自立した生活を営んでいるけれど、
何かモノ足りなくて、

そして、

ワタシ、このままじゃ、
老後独りになっちゃうんじゃないかしらっっ
だーっ(泣) 


なーんて
不安を拭いきれない、
頑張る女性たちのための家。
 

将来の入居希望者の人柄を
湖陶子は面接で判断する。


マスコミの華やかな世界に身を置くきみ子。
でもどの男性にも魅力を感じない。

シングルマザーの敏美。 

既婚者だった彼と結ばれたのに、
妻の座に就いたら窮屈になって
逃げ出してきた千華子。

40歳年上の男性と結婚。
自分の没後が心配だという夫の勧めで
やってきたアンリ。
etc...

様々な境遇の女性たち。

そして彼女らを取り巻く様々な愛の形。


湖陶子は「空の家」をカタチにする中で

自分自身について
思いを馳せることになる。

事業を始めることで
自然消滅となった彼との関係。


自分は彼に何を求めていたのだろう。

「永遠の婚約」だったのだろうか。


結婚は万人向けではない。

千華
子は言い放つ。


シングルマザーで頑張ってるヒトたちを
さるきちはたくさん知っている。

離婚して独り身に安住したヒトもいる。

結婚の形を取らず、
何十年も寄り添っているヒトたちだっている。


自らそうと気づかないままに、
私たちはいくつもの決定的な分岐点で
気まぐれな選択を繰り返しながら年を重ねている。


愛する人と結ばれくても、
命を賭けた仕事で成功できなくても、
せっかく築いた家庭が崩壊してしまっても、

一度きりのその人の人生に、
失敗ということはないのだ。

なにも「生まれ変わったら」などと
次の生を期待するまでもなく、
どの人生もその人だけのものであるなら、
それだけで美しい。


さるきちもね、

昨夜、母に言ったの。

「病気になったのも、

過去の何が悪かったとか、
何がマイナスに働いたとか、
そんなコトが問題だっていうんじゃなくって

それも、さるきちの人生ってことなの」


いろんな人生があるのよね。

それには、正解も不正解もなくて、
そのヒトだけのものなのだ。


さるきちは、今

さるきちの人生の味を噛みしめています。


精神科医の香山リカ先生の著書とあって、
女性の心理を的確に投影している人物設定と、

“ひとり”を選ぶ女性が増えている現代の社会現象が
物語の中にうまく表現されている作品。

OL、主婦、学生、夢追いヒト、etc...
様々な立場の女性におススメの一冊です。


さて、

さるきち夫婦は8歳の年の差がある。

いっせーのーでっ

で、死のうね ハート


って、さるきちは旦那サマに言うのだけど
実際はそうもいくまい。

さるきち婆ちゃんが、
独りぼっちになる可能性は高い。

「空の家」

実在したらいいのに、と本気で思ったのでした。


☆憧れ品☆

北欧スタイルのローベット。
さるきちの「空の家」のイメージ。
青い海と白いシーツって理想よねー。
 
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あおい

あおい (小学館文庫 に 17-1)
西 加奈子
小学館
売り上げランキング: 82550



「あたしの体は、なんて頼りないのだろう」


思春期の女の子ならきっと、誰しも感じる
ふわふわ浮いてるような不確かな身体の感覚。

少女の身体を失うコトの喪失感、
それから、おとなになるコトの漠然とした不安、

そんなモノがごちゃまぜになってる状態。


三十路を迎えるさるきち。

一般的に云われる“思春期”は
とうに過ぎたのだけど、 うふ。

ココロにインナーチャイルドを抱える身としては
未だ感じ取れる感覚でもあるのよね。


この作品は、西加奈子のデビュー作。

読んでみて、

ふうんフム

という感じ。

可もなく不可もなく。
さるきちにはちょっぴりモノ足りなくも感じてしまう。

なーんて、酷評しちゃったり。 へへ。


でもね、

主人公さっちゃんが、被ったレイプ。
それに伴う自己破壊の感覚。

さるきち共感できてしまうのが、ツライ。


物語はファミレスから始まる。
カザマ君との何気ない会話と、ホットケーキ。

少しずつ明らかになっていく、
さっちゃんの、ある意味での、自傷行動。



「そう、あたしは馬鹿なんだ。

いつも人の顔色をうかがって、
心の動きに敏感で、
ちっちゃいネズミくらい臆病なくせして、

時々、一瞬の感情の波に、
全てを任せきってしまうことがある。

ただ流れに捨て鉢に身を任せるのではなくて、
なんてゆうか、一度起こった感情の波を、
より大きな波へ変化させるのだ。

何故そうしたいと思うのか、そのきっかけを
忘れてしまうくらいに、恐ろしいほど早くて、
大きく渦を巻いた波」


さるきちの場合は、
その渦に巻き込まれる時って、
過食嘔吐だったり、
鬱だったり、リストカットだったりする。

抗えない力のように思いながら、
実は、自らその身を投じているのだ、きっと。



「すごく理性的な判断をわざとしなくなるのだ。

そうゆうときは、許してほしい、ごめんなさい、
という感情が全く起こらない。

まったく逆で、

こんなことをしてしまうあたしを
どうか許さないでください、と思う。

だってあたしがこんなにも馬鹿なんだもの。

涙を流したお母さんも、優しい友達も、
偶然会った男の子も、誰も悪くない」


誰も悪くない


悪いのは、さるきちなのです。


そうして悪いコトをわざとして、
自分を痛めつけているのだ。


自分を罰しているのだ。


でも一方でね、

ココロの底では叫んでるの。


さるきちは悪くない。


ねぇ、「さるきちは悪くない」って、

誰か、そう、さるきちに言ってくれ!!


さっちゃんは、
処女の身体をキズつけられて
独りがくがくと震えながら、
必死で、自分の身体を抱きしめてた。


「あたしの体は、なんて頼りないのだろう。

あたしがここにいることを、
自分の体を抱きしめて座り込んでいることを、
誰かに気付いてほしかった。

何も言ってくれなくていいから、
ただ、あたしがここにいることを知ってほしかった。

気が違ったみたいに、
世界中の人に愛されたいと思った。

あたしは、生きてるんだ」 


人生には、いろんな出来事が起きる。

それらがその後の、そのヒトの生き方に
何らかの影響を及ぼし、

プラスに働くコトもあれば、

ひどく苦しめる要因にもなるのだろう。


女の子が“男性”を知るコトも
人生の中の一つの経験。

それってね、もちろん、

すっごく大好きなヒトと、
すっごくロマンチックな場所で、
すっごく素敵なセックス miniheart

だったら、幸せなコトなんだろうけど、

でも、それにしたって
痛みや流血を伴うモノ。

ある意味、
それまでの古い身体を破壊する行為であると思うのよね。


そして、悲しいコトに、それが、
レイプという暴力的な方法でなされるのは、

女性の身体は受動的な構造なんだ、って
簡単に壊れてしまうものなんだ、って

それに伴って、

ココロも壊れてしまうものなんだ、って

理解するのに易しいのかもしれない。

だから、レイプを扱う小説やドラマが
共感を得て、人気を博するのかもしれない。

なーんて。


あ。誤解されると困るので、
補足すると、

レイプはあっちゃいけないコトですよ。
簡単に扱ってほしくない、とも思ってます。


さっちゃんはね、
何を思い立ったか、
長野県の山奥に行くんだよね。
足に血マメを作りながらも。

そして、その中で、
自らを許し、癒され
大切な存在に気づくのです。


さるきちもね、
その長野に負けないくらいの
田舎村に行きます。


さるきちも、十数年の時を経てやっと、

レイプが落としたココロの影を見つめようとしているの。

自分と向き合い、
ココロの傷を修復しようとしているの。


パンダ先生が、言ってくれた。


「さるきちくんは、悪くない」


その言葉をかみしめて、
今度は、大地を踏みしめるのだ。

未来の幸せのために、
自分の力で、歩いていけるように。


・・・そしてちゃんと福岡に帰ってこれますように。。ハハ。


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幸福な食卓

幸福な食卓 (講談社文庫 (せ13-1))
瀬尾 まいこ
講談社
売り上げランキング: 10106



“死”は身体にべっとりと貼りついているのだ。

まるで、
汗に濡れた後れ毛が頬にくっつくように。

まるで、
タイルに血の跡がこびりつくように。

それは、ひどく不快で、

ヒトをひどく不安にさせるに違いない。


そう、感じた一冊。


5年前の父の自殺未遂に端を発し、
佐知子の家族はどこか、おかしくなった。


「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」


そう宣言して、浪人生になった父。

家を出て独り暮らしを始めた母。

成績優秀だった兄は進学せずに農業の道へ。

そして、父の命の恩人となった佐知子。


朝食の時間を何より大切にしてきた家族。
必ず全員が揃い、食卓を囲んでいた。

でもね、

皆が自らの役割を見失うのと同時に、
少しずつそのルールが崩れていく。


梅雨のじめっとした空気と血の臭い。

風呂場を磨き続ける母。

食欲を失う娘。

つきまとう、死の影…


中学から高校の繊細な時期に
家庭や恋の悩みと向き合いながら、
成長を重ねる佐知子と、

少しずつ、軌道を修正させていく
家族の有様がゆっくりとした
優しいテンポで展開されている。

そして、

家族の接点であり、
ココロの動きの象徴とされている“食べモノ”。


みたらし団子。

照り焼きチキンになったクリスティーヌ。

そして、

修復のシュークリーム。


“食べモノ”が“食べモノ”でなくなっている
さるきちにとって、

この作品中の食べモノの描き方は
なんだかせつなくて、
懐かしい感じがしたのでした。 ハート


それにしても、
佐知子の家族は皆、
思いやりがあって、互いに優しい。

さるきち羨ましく思っちゃった。

同時に、

どんな家族にも
程度の差こそあれ、
それぞれに問題を抱えてるのだ、

とも感じたのでした。


「真剣さ」を捨てた兄の言葉。


「父さんが死んだ頃、
ちょうど俺にもゆがみが出はじめていたんだ。

子どもの頃から、
なんでも完璧に、正しくこなしてきたのに、
少しずつ、ずれが出はじめた。

(中略)

そのうち、どうがんばっても、
溜まっていくゆがみを戻せなくなることがわかった。

そうなったら、ゼロに戻すには、
死ぬしかないんだな、って。

俺もこの人みたいに死ぬんだな、って思った」


真剣に生きるのは、しんどいのです。


しんどいってコトは、

真剣に生きているってコトなのかもしれないね。


ちなみに、
この作品は映画化されていて、
主題歌はミスチルの「くるみ」。

さるきちも好きな歌。


♪「くるみ」より

ねぇ くるみ
時間が何もかも洗い連れ去ってくれれば
生きる事は実に容易い

ねぇ くるみ
あれからは一度も涙は流してないよ
でも 本気で笑う事も少ない

どこかで掛け違えてきて
気が付けば一つ余ったボタン
同じようにして誰かが 持て余したボタンホールに
出会う事で意味が出来たならいい
出会いの数だけ別れは増える
十字路に出くわすたび
迷いもするだろうけど

今以上をいつも欲しがるくせに
変わらない愛を求め歌う
そうして歯車は回る
この必要以上の負担に
ギシギシ鈍い音をたてながら

希望の数だけ失望は増える
それでも明日に胸は震える
「どんな事が起こるんだろう?」
想像してみよう

出会いの数だけ別れは増える
それでも希望に胸は震える
引き返しちゃいけないよね
進もう 君のいない道の上へ

シフクノオト
Mr.Children
トイズファクトリー (2004-04-07)
売り上げランキング: 754

☆おススメ品☆

食卓にランチョンマットはかかせない。

 
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凍りついた香り

凍りついた香り (幻冬舎文庫)
小川 洋子
幻冬舎
売り上げランキング: 129431


ずるずると惹き込まれてしまった
小川洋子ワールド。

さるきちのここ最近の心理状況を鑑みると
避けておくべきだったのかもしれない。

でも読み出したら、止められないーっ。 だーっ(泣)

恐るべし。


さて、

突然の恋人の自殺から
物語は始まる。


なぜ、突然、死んでしまったのか。


涼子に残されたのは
死ぬ前日に彼からプレゼントされた
孔雀の模様が彫ってある小瓶に入れられた香水。

調香師だった恋人、弘之。

「孔雀は記憶を司る神の使いなんだ」


キーワードは、彼がフロッピーに残した
いくつかの“香り”を表現した詩。

涼子は自殺の真相をつきとめるため
過去をさかのぼり、謎解きをしていく。

それは、
生前成し得ることができなかった、
彼との隙間を埋めていくことになるのだった。


彼女は彼をルーキーと呼んでいた。

でも、彼の生い立ちを追うに連れ、
彼が“本モノ”のルーキーであったコトを知る。

アイススケートが得意だったコト。
数々の数学コンテストで優勝するほどの
天才児であったコト。

そして…

そんな彼に過度の期待をかけていた
母親の存在。

今も、ルーキーが勝ち取った
たくさんのトロフィーを磨くコトだけを
生き甲斐としている、母親。


「家族は交通事故で死んだって聞いていたのに」


ルーキーはきっと消し去りたかったのだ。
彼の“善”をすべて奪い取った母親を。

でも、消せなかった。

彼の中には、母親の“悪”が残った。

その“悪”を消す術は、
死の他にはなかったのかもしれない。


彼が存在しているか、いないか、
それは触れるものがあるかないかの、
些細な違いでしかないのに、
二つの間を埋められるものは何一つない。
恐ろしいほどに何一つない。


死んだヒトは蘇ることはない。

でもね、香りに残された記憶をたどっていくコトで
涼子は少しずつ、


死んだルーキーに近づいていくのだ。


たどりついたのはウィーン。

それは、ルーキーが出場した最後の
数学コンテストが開催された場所だった。

そこで、すべての謎が解ける。


さるきち、読んだ後
かなり沈みましたよ。ハハ。 blueday


だって、ハッピーエンドではないから。

ココロの奥底にもやもやが沈殿するような、
そんな結末だから。


小川洋子も危険度が高いですね。
気をつけなくっちゃ。

彼女は尊敬する作家に
村上春樹を挙げています。

本書にも「ハードボイルド・ワンダーランド」に
作風が似ているかな、と感じました。


それにしても、、

冒頭で、ルーキーが死んだと、
病院から電話があった時。



「すぐにいらしてください。よろしいですね」

私はアイロン台の前に戻った。
そしてやりかけていた弘之のワイシャツに、
アイロンをかけた。

すぐに行かなければならないと、分かっていた。
財布だけをポケットに突っ込み、
タクシーを拾い、何をおいても病院へ駆けつけるべきだった。

なのに私の手はアイロンを動かしていた。
今はこれをやりとげることが、
何より大事なのだとでもいうように、
丁寧に衿の皺を伸ばしていた。

これを着る弘之は、もう死んでしまったというのに。



さるきちね、
ぞっとするほどのリアリティーを感じたのでした。


そして、小川氏が描く世界に
ずっぷりのめり込んでいったのでした…


☆おススメ品☆

↓ ビビアンウエストウッド
  ボトルの形が好き。


 
↓ エスティ・ローダー
  ビヨンド・パラダイス
  南の島の海の色。


 
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プロフィール

さるきち

Author:さるきち
摂食障害(過食嘔吐)9年目のさるきち@主婦です。

治したい。でも治りたくない。

さるきちの中の天使と悪魔が
今日も闘っている。。。

ウツ虫くん、虚し虫くんとも仲良し。
趣味はカフェでまったり読書っ。

ブログのモットーは
ユニーク&ユーモア。
できるだけ笑いをお届けしたいと思っています。

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