過食日記

過食日記―ダイエットから摂食障害になった私
高橋 カオリ
飛鳥新社
売り上げランキング: 7784



ううむ。先を越された… うーん


と、さるきち思わずうなってしまった一冊。

でも中身を拝見してみると
さるきちのめざしているモノとは違ってて
ホッととしてる、なんともオコガマシイさるきち。ハハ。


さてさて、この本の著者は
イラストレーターの高橋カオリ氏。

摂食障害の時代を振り返り、
それをマンガで表現しています。


食べるコトがストレス解消法


という序文に始まり、

ダイエットを決意し
やせなきゃと思っているのに
食べるのが止められず、

そのうちに吐くコトを覚え、

さらに“吐き残し”を恐れるあまり
下剤を使うようになり、

ひきこもりがちになる…


嗚呼。 だーっ(泣)

まさに典型的な過食症の姿が
赤裸々に描かれています。

同感も同感。

さるきちそのまんまです。


巻末には
精神科医の山登敬之氏との
対談も載っています。

気になるのは、


Q.どうしたら過食症は治るのか


高橋氏はね、無職になって
ゲームに熱中するようになったら、

「気づいたら食べるの忘れてた!」

なーんて、
過食から離れるコトができたそうです。


ヒトって生きていくには
何かに依存するものなのよね。

それが健全な依存であればいいのです。

高橋氏の場合は
たまたまゲームという依存に移行するコトができたのね。


山登先生曰く、
高橋氏は無職になったことで
他の依存の対象を見つける“ゆとり”が
できたのだといいます。


ゆとりがあってこそ、変化が生まれる


さるきちもね、東京でOLやっていた頃は
朝から夜遅くまで働いて、
その後に過食嘔吐していました。

時間的にも、精神的にも
“ゆとり”がなかったのね。

結婚して退職して、
初めて手にした自由時間。

大好きな読書ができるようになり、
さらに、病気や自分自身に向き合うコトが
できるようになったのだと思います。

そう思うと、
転機ってヒトそれぞれなんだろうな、と思う。


マンガだから読みやすいし、
気軽に手にとるコトができる一冊です。

でもね、さるきち一つだけ
反感を覚えたのは、


吐き方講座


なるコラム。

上手く吐く方法を説いているのです。


吐けない過食症のヒトも多い中、
そして、吐くコトを覚えると病気が長期化するという
危険性を指摘してもいるのに、

なぜ嘔吐を助長させるような
その数ページだけは

さるきち許すまじ怒

の思いを抱いたのでした。

まあ、悪気はないのだろうけど。。

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みんな、やせることに失敗している



過食さえなければ人生はバラ色なのか


森川那智子先生の著書です。
書かれているのは、まさに、さるきちです。

摂食障害に陥る心理的・社会的要因や病状、
そして何より患者の心情が、
的確かつ丁寧に説明されています。

その口調はとても優しい。

まるで隣で寄り添ってくれているかのような、
錯覚さえ起こすほど。

ひね・くれ子のさるきちも、
那智先生に言われたら素直に従おうと思えちゃう。


さて、那智先生はさるきちたち
ダイエット依存者に問いかけます。

なぜやせたいのか。

やせたら自信が持てる?
いいことがある?
彼のためにやせたい?
やせてた方が調子がいい?


でもね、

それってやせなければ得られないものなんだろうか?

摂食障害となり、日々の生活を犠牲にしてまで
手にいれるだけの価値があるものなのだろうか?

そして、やせれば必ず手にいれられるものなのだろうか?


例えばね、テレビや雑誌に登場する
やせてスタイルのいい女優やモデルを見て
彼女たちのようになりたいと思うかもしれない。

でもね、彼女らは仕事というモチベーションがあるから
やせたボディを保つことができてるわけです。

「クワイエットルームにようこそ」で蒼井優が
拒食症患者を演じるため激ヤセしてましたけど、
それは役作りだからできたことなのよね。

彼女らにとって体型は仕事に直結してるわけです。


やせたいと思う女性の理想体重は
標準体重の80〜85%ほどであるというデータも
本書で取り上げられていますが、

それって健康を保ったまま達成できる数値ではないんですって。 はっ


モデルをめざすヒトはあまたいるものの、
エビちゃん格になれるヒトは極わずか。

同じように、

標準の20%以下の体重をめざすダイエッターで
その体型を手に入れられるヒトは極わずかなんです。

そして無理なダイエットから
 
摂食障害に転じるヒトも少なくないはずなのよね。 くすん



過食を避けようと頑張っているか、
過食しているか、
浄化(嘔吐や下剤乱用)しているか、
疲れきってくたばっているか、
いずれのシーンしかない荒涼とした世界


那智先生は摂食障害者の内面をそう表現しています。
悲しいけれど、あたっていますよね。


だからこそ、

過食さえなければ人生はバラ色

なーんて幻想を抱いちゃう。


さるきちだって思ってた。

もし摂食障害じゃなければ、

時間とお金を有効的に使って、
自己投資して、もっとオシャレして
交友関係も広くて、才能も開花しちゃったりして、
松潤みたいな素敵な彼氏も作って、、、でへへ2
 
もっと有意義に暮らせただろうに。

なーんてね。


那智智先生はそんな幻想の裏には
二つの要素があるとしています。

一つは女はやせてなくちゃ魅力的でないと
思い込まざるを得ないような社会的・文化的背景によるもの。


もう一つは
挫折に直面しなくて済むということ。

すなわち、

挫折を受け入れるだけのココロの準備ができていないから、
何もかもを過食のせいにしていた方が楽だというのです。


例えやせたって、できないことはできないのよね。

そして、今のままだって、できることはできるのよね。


さて、
摂食障害のスパイラルから抜け出したいけれど
どうしたらいいのか、わからないヒトに対し、

那智先生が主張しているのは、
とりあえずトライしてみること。 ガンバ


例えば、時間がきたらちゃんしたモノをちゃんと食べるコト。


「一食でも過食嘔吐せずに食べれれば身体は楽になり
自分の問題に取り組んでいこうという意欲がわく」


さるきちは、我が身を持って実感しています。


腹をくくってランチに弁当を残さず食べるようになってから、
(→
「食べる勇気。」
さるきち脳が正常に動くようになったのです。

いや、前からそれなりにちゃんと動いてますよ。

でもね、食べモノに占領されてる部分が多かったのね。
それがもっと物事を多角的に考えられるようになるのです。


錆びついていた脳に油を注すの。

そうしたら、もっともっと
素適な発想ができるようになるはず。uruuru



さるきちね、思うの。

人生ってバラ色じゃないよ。 


過食嘔吐をやめられたって
バラ色じゃあない。


じゃ、人生って何色なんだろう。 はて


真っ黒の時もあるかも。
それとも真っ赤だったり。
金色?銀色?それともただの斧?(そうぢゃない)

それを考えていくのが楽しいのかな。

さるきちは…今は真っ白??
それもまたいいよね。

さるきち色に彩っていくのだ。にっこり


☆おススメ品☆

さるきちは色鉛筆が大好きっ。
いーっぱい持ってます♪
こんなに↓カワイイのはないけどね。


 
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禁煙セラピー



額が割れて流血っ。

リングサイド鉄柵攻撃ーっ。

え〜ご注意ください。ご注意ください(アナウンス)

出たーっっ!!ジャーマンスープレックス!!! きゃぴ

カンカンカンカン・・・(ゴングの音)



洗脳とは、実に恐ろしいモノです。

旦那サマと出会う前のさるきちは、
プロレスは野蛮なスポーツであり、
とても乙女さるきちが観るようなものではないと思っていました。

しかし今や、

夜中3時の放映を毎回録画してチェック。
旦那サマ相手に不知火(しらぬい)の練習をしたり。
流血シーンだって「いやーん♪」といいつつ喜んでたり。 



・・・完全に洗脳されたのです。


さて、

この本は禁煙セラピー。
いかにしてタバコを断つか、という案内本。

さるきちはタバコは吸わないのですが、
依存という点では過食に通じるモノがあり、

文中の“タバコ”を“過食”に置き換えながら読みました。
さるきちのお友だち、桃kaさんのオススメ本です。
(桃kaさん、ありがとうございます。補足あったらヨロシクです(笑) )


なぜ、タバコがやめられないか。 うーん


それは洗脳されているからだ、


というのが著者の主張。

口淋しいから、とか
美味しいから、とか
ニコチン中毒だから、とか
習慣になっているから、とかとか。

それらは実は理由ではない、と指摘します。


タバコをどんな時に吸いますか?

退屈してる時。

リラックスしてる時。
集中してる時。
ストレスを感じている時。


じゃ、タバコがなくなったら
どうやってその時間を過ごせばいいんだ?! だーっ(泣)



喫煙者はタバコを手放すコトが不安なのです。

タバコの無い人生を恐れているのです。


でも著者は断言します。

タバコがなくたって、人生は楽しいと。


幻想に惑わされちゃだめなのです。

タバコってね、
吸わないでいようとすると不安になるもの。

でも考えてみてください。

その不安はタバコ自身が生み出しているのです。

そして、尚やっかいなことに、
タバコにはその不安を緩和する働きもあるのです。


ぴったり、摂食障害者にも当てはまりますよね。

過食は一瞬の快楽を伴います。
それは、ストレスや不安を和らげてくれるもの。

でも、過食自体がさらなるストレスを
生んでいるのよね。

だから逃れられない負のスパイラルに
はまっていってしまうのです。 


タバコ、そしてさるきちの場合の過食、

どうして止めた方がいいのか
を考えるのは適切でない、と著者はいいます。

なぜなら、
ココロの支えにもなっているそれらを
取り除くことは犠牲心を生むからです。


身体に悪いコトなんかわかってらいっ。
でも止められないから苦しんでるんだろー。 けっ



なーんて。

逆切れや被害妄想に発達します。


この本では意志の力で
我慢に我慢を重ねる禁煙は
推奨されていないのよね。

むしろ、そういった精神力禁煙法は
失敗を生むと指摘されています。


ある朝目覚めたらタバコ嫌いになってますように。


精神力禁煙法がたどり着く先が
この究極の祈り。

なんだか、笑っちゃいますよね。

でも確かに。
さるきちも願いたくなる。


明日目が覚めたら摂食障害が治ってますように。

それは100%叶うはずのない願い。



考えるべき本質はね、
どうして吸いたくなるのか、というコトなのです。

どうして食べたくなるのか、というコトなのです。


さるきちも想像してみました。

過食のない生活。

それは、きっと素晴らしいモノだけど、
でもやはり不安もあるのね。

大好きなモノをたんまり購入して
食べ始めるまでの甘美な瞬間。

嫌なコトを忘れさせてくれる
自分だけの恍惚とした瞬間。


それらを失うのって、、、
そして、過食の代わりに何をすればいいの??!だーっ(泣)


それこそが幻想なのよね。


タバコ、そして過食が彩る幻想を払拭し、
自分の人生に過食なんぞ必要ないってコトを
知るコトが大事なんですね。


実際にこの本を読んで
タバコを止められたヒトも多いそう。

勇気と自信を与えてくれる
そんな一冊です。


ところで。

さるきちもね、 
紫煙をくゆらしたコト、あるんですよ。
悪ぶってた時期があったのよ〜ん。

でもね、ちんちくりんさるきちに
タバコは全く似合いませんでした。 ガーン


だから止めたの。

見苦しいじゃないですか。


さるきちが松雪泰子だったら
タバコを吸っていたかもしれません。

というか、人生そのものが変わってますね。ハハ。


☆関連品☆

マナーを守って喫煙しましょ。
携帯灰皿です。


 
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鏡の中の孤独

鏡の中の孤独 (集英社文庫)
スティーブン レベンクロン
集英社
売り上げランキング: 186989



「きみはちっぽけな世界に住んでいるんだね」

痩せるコトでしか、自己主張のできなかった
フランチェスカ。

ベットに横になり、
浮き出たあばら骨を数えては
満足していた彼女が、

大きな世界へと、羽ばたく。


「自分の世界が、
自分と自分の身体との競争だった頃に比べて、
広がっていることに気づいた。(中略)

ケサは立ち上がり、天井に向かって両腕を伸ばした。

私は挑戦する。本当よ。

結局は誰もがこういった部分を持っているんだわ。
私も自分のものは引き受けていくわ」


部屋の中で独り、裸で天を仰ぐ少女。

鏡に映るその姿は凛々しく美しかったに違いない。


さるきちは鳥肌が立ちました。
まるでさるきちまで、大空に飛び立てそうなくらい。


この本は、前作「鏡の中の少女」
拒食症に陥り、強制入院、
生命の危機を脱したフランチェスカ−ケサ−が
退院したところから物語が始まっています。


体重を増やすことを頑なに拒むケサ。

でもね、ケサが敵視していたのは、
体重の数値だけではなかったのです。

世界そのモノだったのです。

信頼のおける医師サンディとのカウンセリングを通し、
ケサは少しずつ、
ココロの奥底にしまい込んだ
感情を解放させていきます。


さるきちたちも同じです。

拒食、過食、過食嘔吐によって
目をそらしているのです。

本当は向き合わなくちゃいけない、自分の感情から。

それは受け容れがたいモノです。


でもね、

もっと「生き」たい。

もっと幸せになりたい。

そう
思うならば、勇気を出して
対峙しなくちゃいけないのね。

小さな少女、ケサのように。


さるきちはね、
失敗を恐れ、変化に怯えるケサに
さるきちはエールを送り続けました。

16歳という思春期まっただ中の彼女が
直面する問題は山のようにあったのよね。


サンディはいいます。

「きみは、責任持って行動することと、
他人に対して責任をとることを、
ごっちゃにしていると思うな」

ケサはね、

母親の機嫌が悪くならないよう
気を遣っていました。

母親が泣きそうになっていたら
元気にしてあげなくちゃと思っていました。

一方で、
母親の態度(ケサに対しびくびくしていた)や言葉に
イライラしてしまう自分もいたのです。


ケサ:「まわりのみんなに対して
    責任があると思っているわ」

サンディ:「だから腹が立つんだよ」

ケサ:「どうして?」

サンディ:「他人に責任を持つってことは、
    人間関係と同じように、ひとつの仕事なんだよ。
    (中略)
    自分を働きづめにさせる人たちが
    しゃくにさわるようになる」


他人の感情に対して責任を感じる


これって、さるきちも当てはまります。

さるきちも、
旦那サマの感情を勝手に想像し、

自分の感情を抑えたり
自分を責めたりすることがあるからです。


でもね、


先ず、自分の感情を伝えなくちゃいけないんです。


旦那サマがどう感じるか、
それは伝えなくちゃわからないし、

たとえ何を感じたとしても
それは、


旦那サマが解消すべき感情なのです。



他にもね、
さるきち共感できる部分が多くありました。

例えば、

言葉にする前に頭の中でリハーサルする、だとか。
誰とでも仲良くできる一方で
ココロから信頼するヒトがいない、とかとか。


ケサはね、

家族の調整役でした。

厳格な父と、自己主張のない母。
自由奔放な姉と、成績優秀で完璧な兄。

良い子ちゃんでいるコトが
ケサがこの家族の中で生き延びる術でした。


できるコトがあたりまえ。


そうするとね、“失敗”ができなくなるのです。

失敗を恐れ、自分を出せなくなるのです。 


そうして、押し込めてきた感情が決壊し、
拒食症という形で顕在化したのよね。 

 
少しずつ、少しずつ、ケサは変わっていきます。

さるきちは自分の未来を見るようで
すごく励まされました。


さるきちたちにも、
明るい未来があるのです。


病気から解放される日が、

きっと、来るはず。 ハート




「ケサは言った。
声をかぎりに叫び、
通りを駆け抜けていきたいような気分だった。

とってもいい気分!
わたしはわたし、ケサ、

そしてわたしは大丈夫! 」


ケサが憧れていた
「ウエスト・サイド・ストーリー」のマリア。

鏡に映る自分の姿を見て、
今のケサなら、きっと歌えるはず。

「わたしってキレイ」



ところで、、

この小説には、
ディアドレという過食嘔吐を伴う
拒食症の少女も登場します。


彼女は、、、


嘔吐によるカリウムの低下で
心臓発作を起こし死んでしまいます。

便器に残された彼女の前歯・・・


なんて悲劇的な最期でしょうか。


さるきちは身震いしました。

そして、
加納マルタの言葉を思い出しました。

「もっとひどいことにだってなりえたのです」


さるきちは、ディアドレになり得たのです。


嘔吐をした後
震えを感じるヒトも多いでしょう。

それって、さるきち思うに、
ココロの震えなのです。

死をすぐ間近に感じた恐怖に怯える、
ココロの震えなのです。

だから、自分でしっかり
自分の身体を抱きしめてあげてください。


ぎゅって。


この小説の著者は
スティーブン・レベンクロン。
拒食症専門のサイコセラピストだそうです。

拒食症の実情をありのまま描いていて、
そして、患者に希望を与えてくれる
貴重な一冊といえるでしょう。

米・英ではテレビ映画化されてもいるそうですが、
観るには、ちょっと勇気が要りますね。  



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鏡の中の少女

鏡の中の少女
菊池 幸子 森川 那智子 スティーブン レベンクロン
集英社
売り上げランキング: 130360













バレエに打ち込むひとりの少女、フランチェスカ。
鏡に映る自分の姿を見つめる。


もっと痩せなくては。

痩せれば、勝てる。


そして新しく誕生したのは、ケサ。

ケサとは、食べモノの誘惑に負けない確固たる信念を持ち、
無駄のない完璧な身体を持つ、
フランチェスカが創り出したもうひとりの人格。

物語が進むにつれ、
ケサはフランチェスカを呑み込み
ココロを蝕んでいくのです。



この小説は、拒食症に陥った少女と
その家族、さらに医師や入院患者たちとの
人間模様を描いた壮絶なストーリー。

拒食症を経験したヒトならば誰しも
食に囚われ、自分を追い込んでいくその過程に

共感と、焦りと、悲しみを覚えながら
読むことができるでしょう。


さるきちあまりに衝撃が大きかったのか、
一晩眠ることができませんでした。 blueday


摂食障害のムツカシイ専門書と違い、
物語だからこそ、
この病気が持つ特有の世界に引き込まれちゃったのね。 うーん



仕事人間の父は厳格で癇癪持ち。
食事の作法にもうるさく、
フランチェスカは食卓ではいつもびくびくしています。

彼は絶対的権限を持ち、
自身の偏屈な信念に固持し、
さらにそれを他人にまで押しつける傲慢さも
兼ね備えています。

そしてそんな父に従順な母グレース。

フランチェスカには姉と兄がいますが、
二人はすでに家を出ています。

姉は問題児で両親は振り回されてばかりでした。
一方兄は成績優秀で自慢の息子。


ねぇ、

じゃあ、フランチェスカは?


両親にとって彼女は

「手のかからない良い子」

そして、


「うっかりすると、いることさえ気づかない…」


両親がフランチェスカの異変に気づいたのは食事時。

お皿の上で料理を細かく刻み、
ほんのひとかけらを口に運ぶケサ。

体重は目に見えて減少していきます。

ベッドに横たわり、浮き出たあばら骨を数えるケサ。

「骨って好き。」

美味しそうな匂いのする露店前を通るときは
頭の中で呪文を唱えます。

ケサ・ケサ…

父親に無理矢理食べさせられると
洗面所にこもり吐き出します。

怒鳴られても聞こえない。

ケサ・ケサ…

トイレの便座にはお尻をつけられない。
歯を汚す食べモノなんて食べれない。
部屋では狂ったように踊ります。

もっと痩せなければ。

ケサ・ケサ・ケサ…


オーディションに合格すれば
憧れのマダムにも認めてもらえる。

でもね、

やせ細った長身の身体に踊る力はありません。

それどころか、
バレエに対する興味すら失ってしまうのです。


もはやフランチェスカの念頭には痩せるコトだけ。


その後フランチェスカは強制入院、
胸にカテーテルを埋め込まれ
胃に直に栄養を送らねば死んでしまう、
そんな状況にまで追い込まれていきます。


どうして?何がいけなかったのでしょう? くすん


理解ある医師の登場で
フランチェスカはココロを開いていき、
根本の問題が明らかにされていくんですけどね、

医師に促され、
フランチェスカは初めて本音を吐き出します。


私には居場所がないの。


両親に対して明かした彼女の胸の内。
その悲痛な叫びは両親には衝撃でした。



医師:「どう、ケサ?家族になにを望む?」

フランチェスカ:「わからない」

止まっていた涙がまた溢れ出した。

医師:「考えてみるんだ、ケサ」

フランチェスカ「わからないって言ったでしょ。
         わたし、わかりたくない。わかりたくないのよ」

涙が溢れ、そして言葉も溢れてきた。

フランチェスカ:「そんなものはほしくない。憎んでいるわ。でも必要なの」

医師:「どういうこと?何を憎んでいるの?」

フランチェスカ「家族よ。憎いわ。でも、ほしい。
        あの人たちをほしがる気持ちが憎い。
       憎んでいるの。憎んでいるのよ」

医師:「どうして憎んでいるの?」

フランチェスカ「ほしがる気持ちを憎んでる。
       だって、絶対手に入らないものがほしいなんて」

父:「いつだって、おまえが望んだものはなんでもやってきたじゃないか」

フランチェスカ:「わたし今までに何か望んだ?
         わたしが望んだことってなに?」

驚きはショックに変わった。

父:「そんなになかったと思うが」

フランチェスカ:「そんなになかった?
         なにもなかったって言った方がまだましよ。 

         わたしはなんにももらってない。
         グレッグ(兄)は褒められた、スザンナ(姉)は
         関心を持たれた。で、わたしは何にも。

         パパから何にも、ママからは何にもよ。
         ママはわたしのこと、好きでさえない」

フランチェスカ:「ママはわたしのことなんて、
         全然愛してくれなかったし、これからもそうよ。
         ママはスザンナを愛してて、わたしにはそうじゃない」

最後の感情のほどばしりに、みんな、ケサ自身も驚いた。

医師:「ケサ。僕はきみを誇りに思うよ


注)一部抜粋です



愛の反対は憎しみではなく無関心である

とは、マザーテレサの言葉ですが、
フランチェスカが身を滅ぼしてまで欲しかったのは、
両親の関心、愛情だったのです。

拒食症は、フランチェスカの
最後のカードだったのです。


この小説には
家族間の問題が色濃く描かれています。


でもね、

その問題とは決して
単なる悪質なモノとは違うのです。

両親だってフランチェスカを愛しているのです。
思いやるココロは持ち合わせているのです。

ただ、それは
フランチェスカには届いていなかった。

彼らの思いはまるで決して交わることのない
3次元のベクトルのよう。

その様子を俯瞰しているのは、
なんとももどかしく、せつない。 くすん



そして、摂食障害は患者本人だけの問題でないことも
顕著に表れています。


注目したいのは母親のココロに宿る影です。
文中こんな件があります。

フランチェスカが拒食症と診断された直後です。


「グレースは怒りと涙で目がくらんだ。
20年間ためてきたなみだが堰を切り、
グレースは自分の部屋に駆け込んだ」


さるきち、あれ、と思ったのよね。はて
 
フランチェスカは16歳なのです。

20年間??


また、娘の病状が悪化し
呆然とする父親の姿を見て
どこかうれしい気もした、という母グレース。

さらに、

母親としても失格、娘としても失格

と自分を非難する場面もあります。
母親に対するコンプレックスもあるみたいなのね。


このように、
摂食障害という病気の形をとって
ココロの闇が具現化したのは、

たまたま

フランチェスカだったのですが

少なからず、母親もココロの問題を抱えているのよね。

そしてそれは、父親だって、姉だって…

ううん、

ヒトは誰しも程度の差こそあれ、
ココロに闇を抱えているのよね、きっと。


ココロの病気は、
患者も周りのヒトたちもツラく、苦しいものですが、

自分と家族の関係修復には必要なモノ、と
いえるのかもしれません。

自分をより幸せに導くために、
必然的に生じるモノなのかもしれません。


病気を乗り越えた時、
きっともっとココロ豊かな人生が
待っているはず。。

さるきちも、もっと幸せになれるのかもしれない。。


下巻「鏡の中の孤独」、
さるきちまだ手が出せないのよね。。

読んだらご紹介したいと思います。



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プロフィール

さるきち

Author:さるきち
摂食障害(過食嘔吐)9年目のさるきち@主婦です。

治したい。でも治りたくない。

さるきちの中の天使と悪魔が
今日も闘っている。。。

ウツ虫くん、虚し虫くんとも仲良し。
趣味はカフェでまったり読書っ。

ブログのモットーは
ユニーク&ユーモア。
できるだけ笑いをお届けしたいと思っています。

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