思春期をめぐる冒険―心理療法と村上春樹の世界 前編
さるきち家の本棚には村上春樹の作品が
ずらっと並んでいます。
残念ながらノーベル文学賞は逃してしまいましたが
国内にとどまらず、海外でも村上ファン層は厚く
日本を代表する作家の一人であることは明らか。
どうしてそんなに人気があるのでしょう??
「小説を書くのは、自己治癒的な行為である」
とは村上氏の言葉。
「伝えたいメッセージがあってそれを表現しているわけではなくて、
自分の中にどのようなメッセージがあるのかを探しだすために
小説を書いているような気がする」
これって心理療法に似ている!
というのが
この本の著者が目をつけたところ。
心理療法では、
過去に受けたココロの傷が何であるのか、
ココロの奥に追いやられていた記憶や感情を
見つける作業を行います。
そしてココロのキズを癒すことが
摂食障害の治療になるというわけでした。
(→愛情が欲しい〜摂食障害はその究極の表現)
同じような作業を
村上氏はその小説の中で行っているというのです。
例えば、村上春樹の長編、
ねじまき鳥クロニクルの「井戸」。
「下に行くべきときには、いちばん深い井戸を見つけて
その底に下りればよろしい」
そうして、オカダトオルは
真っ暗な井戸の底に下り、
井戸の壁を通り抜け、
消えた妻、クミコのいる部屋に到達できたのでした。
「井戸」はココロの奥、
物事の本質を表現しているのです。
過食嘔吐が止まらないさるきち。
どうして身体は過食嘔吐を求めてしまうのか??
さるきちも、ココロの井戸の底に降りて
考えなくちゃいけないんですね。
聞き逃さないように。
大切なことは小さな声で語られるのです。
後半へ続く…
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