孤独と不安のレッスン
独りぼっちになると過食が始まる、さるきち。
まるで時間を埋めるかのように、
食べモノで腹を埋めているさるきち。
もっと、独り時間をうまく過ごせるようになりたい。
そんな切な思いを抱きつつ
本屋をぶらぶらしてたとき、目にとまった本。
著者は演劇界でお馴染みの鴻上尚史氏。
彼が先ず主張するのは、
孤独には「偽モノの孤独」と「本モノの孤独」がある
というコト。
独りでいるのがさみしくて携帯メールしちゃったり、
だらだら長電話しちゃったり、
ネットサーフィン…
これって、「独りは惨めだ」という
誤った公然たる思い込みによって
偽モノの孤独にココロやられている状態であるといいます。
さるきちの過食もこちらに該当するのでしょう。
一方で、本モノの孤独とは
自分との対話の時間である、と著者。
ひとり旅に出て都会の喧噪を離れ
独りぼーっとするのも結構。
自宅だっていい。カフェの雑踏の中だっていいんですが、
どちらかといえば、静かな環境の方が好ましいようです。
自分に集中し、自分は本当は何がしたいのか、
独りになって瞑想する時間なのです。
さるきちはね、
バックパッカーでスイスをひとり旅したことがあります。
ユースホステルで出会う仲間とおしゃべりをしたり、
一緒に行動したりして楽しんだんだけど、
独りになる時間も多くてね。
ベンチに座りルツェルン湖をぼーっと眺めていると、
気持ちよい風がすーっとココロを洗ってくれる
そんな気がしたものです。
それをもう少し突き詰めると
自分との対峙になったのかもしれません。
哀れさるきちは、
東京からの一本の電話によって
現実に引き戻されるのですが。
「さるきち先ぱ〜い、
お客さんからクレーム受けてるんですが
どうしたらいいんでしょ〜か?!」
とほほ・・・
村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」にも
オカダトオルが新宿のベンチに座り
何日もぼーっとヒトを観察する時間があります。
そして、その後を左右する重要人物、
ナツメグと出会うのです。
さるきちはね、
きっとオカダトオルが
本モノの孤独を感じていたからこそ、
運命が切り開かれたと思うのです。
ナツメグとの出会い。
それは電話やメール、mixiでは成し得なかったでしょう。
さるきちたちも、きっと同じ。
メル友だって、家族だって、みのもんただって、
アナタのコトを考えてはくれないのです。
本当にやりたいコトは自分に聞くしかないのです。
次に、鴻上氏は「後ろ向きの不安」と
「前向きの不安」について語っています。
前者は自分を振り回す不安であって、
後者はエネルギーを与えてくれる不安であるといいます。
本書には鴻上氏の実話が綴られていて
それも面白いのですが、
二つの不安の違いを表現したエピソード。
ある時、うーんうーんと鴻上氏が
部室で考え込んでいたんですって。
そこに先輩が登場、どうしたのか聞かれ
「劇団を立ち上げてうまくいくかどうか、考えているんですよ」
と応えました。
ところが先輩は
「それは『考える』じゃなくて『悩んでいる』だろう」と。
うまくいくかどうか悩んでも、ただ時間が過ぎるだけ。
一方で「考える」というのは
劇団を立ち上げた後で、
運営法や劇の上演計画などについて
考えを巡らせることであって、
結果何かが残るというのですね。
それが「後ろ向きの不安」と
「前向きの不安」の違いであるのでしょう。
この本では、
こうした孤独と不安について解説がなされた後、
それらとどううまくつきあっていけばいいか
ヒントが多く紹介されています。
不安になったら誰かに何かをあげる、とかね。
落ち込むコトや不安なコトがあったら
独り部屋に閉じこもりアルコールで自分を慰める
なーんてヒトはいませんか?
それってね、
余計落ち込みや不安にフォーカスしてしまい
さらにドツボにはまっていくコトになるのです。
鴻上氏の知人では、
落ち込んだ時こそ、
友人に料理を振る舞うとい方がいるそうです。
そうするとね、いつの間にか
不安が消えているんですって。
ヒトに何かを与えているようで
実は、“何か”をもらっているのです。
そしてそれは、もらおうと思っていては
もらえないモノなのね。
また、「他人」と「他者」の違いや
人間関係の距離感を覚えるコト、
「今ある自分」と「ありたい自分」の関係の作り方、などなど。
どれも短編にまとめられていて、
まさにレッスンを受けている感じ。
人間は「孤独と不安」から逃れることはできない。
生きている限り「孤独と不安」は終わらない。
しかし、
「孤独と不安」を生きることでしか手に入らないものがある。
それは面白いことでもある。
その言葉にはなんだか勇気づけられます。
頼りの旦那サマは出張中。
独りの時間を本モノにできるかどうか。
それはさるきち次第。。
☆おススメ品☆
鴻上氏の作品で思い出すのは、「シンデレラストーリー」。
さるきち愛する井上芳雄くんは王子役。
他にも、池田成志や橋本さとし、
そしてデーモン小暮閣下という豪華キャスト。
theme : モノの見方、考え方。
genre : 心と身体
















